「巨額のコストに見合う国民に対する利益は?」マイナQA

Q.巨額のコスト(税金)を投じるだけの国民に対する利益があるのかわからないのですが?

A.和内太郎の解説

ここでのポイントは、「国民」だけでないユーザにも番号が割り振られている点です。

「まるわかり!マイナンバー」でお伝えしたとおり、日本のマイナンバーは、国民等(日本国内に在住する外国人含む)に番号が割り振られます。これは、住民基本台帳に記録された住民票コードを変換して得られる符号によりマイナンバーを生成したためであり、基本的にマイナンバー保有者は、「住民」ということになります。このため、日本国籍を保有していても、海外に在留することとなった場合、番号は割り振られません。

なぜこの議論をしているかというと、諸外国では、「納税者番号」や「社会保障番号」として導入されている点です。納税者に割り振るのであれば、納税者に対して、その制度の説明責任が発生します。社会保障受給者に割り振るのであれば、当該者です。つまり、説明責任を果たすべきセグメントが明確であればあるほど、コストに見合ったパフォーマンスがありやなしやといったことを、説明しやすくなります。

しかし、日本のマイナンバーのように、「誰に割り振っているのか」と問われれば、「国内に住んでいる人」と答えざるを得ず、「何のために割り振っているのか」と問われれば、「色んな目的があります、一つは公正公平な社会の実現のため、一つは住民・行政の効率化・・・」とキラキラ大義名分を掲げざるを得ないため、今一つ、「何のために」が説明しきれていない印象を受けます。

某国のように「これは国民IDである。国民に割り振るIDである以上、国籍管理を行うものであり、国民IDを保有していないのであれば、外国人であることを意味する。」といった国是に基づき制度設計しているのであれば、情報の管理という意味でも十分な説明責任を果たせるでしょう。しかし、マイナンバーは住民に割り振られ、住民であるかどうかは住民基本台帳に登録されているかどうかであり、国民であるかどうかは、旅券を保有している場合は旅券で明確的になり、戸籍保有も一つの判断となりえますが、「公証」しているとは言い難いです。よって、政府の国民に対する便益に関する言説が巧く構築されていない理由は、これらの背景によるものと思われます。


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